昨日(2019年6月19日)、財務相の諮問機関である財政制度等審議会の建議「令和時代の財政の在り方に関する建議」が公表されました。
老後2000万円問題の煽りを受け、昨年の建議には明記されていた私的年金や自助努力の文字が消えたそうです。厚生労働省の社会保障審議会企業年金・個人年金部会で、まさに個人の自助努力の議論が進んできたところだったのに、こちらの議論もどうなるのだろうという感じです。
なお、財政審の建議では、年金について以下の内容が盛り込まれています。
① 現在の受給世代と将来の受給世代の給付のバランスを調整する「マクロ経済スライド」の在り方の検討
② パート・アルバイト等の短時間労働者への被用者保険の適用拡大
③ 現行60歳となっている国民年金の保険料拠出期間の延長について、給付水準の維持・向上を図るうえでの意義はある一方で、大幅な国庫負担増を伴うため、これに見合う財源を確保せずに改正を行うことは、将来世代への過重なツケ回しとなるため問題
④ 在職老齢年金制度の見直しは、高齢者の勤労に中立的な年金制度を整備する観点から意義があるが、65歳以上の在老(高在老)の見直しについては、対象者がごく一部に限られる一方で、将来の給付水準が低下することとなるため、不公平感が生じないような工夫が必要
⑤ 繰下げ受給を選択できる上限年齢の70歳以降への引き上げ
◇ 2019年6月19日 財務省財政制度等審議会「令和時代の財政の在り方に関する建議」