改正育児・介護休業法が本年(2021年)6月に成立・公布されましたが、本日(2021年9月30日)、関連省令及び告示(指針)が公布され、より詳しい内容が明らかになりました。
改正育児・介護休業法及び本日公布された省令・告示(指針)の主な内容は以下のとおりです。
・事業主は、育児休業の申出が円滑に行われるようにするため、次の①~④のいずれかの措置を講じなければなりません(2022年4月施行)。どれか一つでも実施すれば法律上の義務を果たしたことになりますが、厚生労働省の指針では、可能な限り複数の措置を行うことが望ましいとされています。
①従業員に対する育児休業に係る研修の実施
②育児休業に関する相談体制の整備
③従業員の育児休業の取得に関する事例収集及びその提供
④従業員に対する育児休業に関する制度及び育児休業の取得促進に関する方針の周知
・妊娠・出産(本人又は配偶者)の申出をした従業員に対する個別の周知・意向確認(2022年4月施行)の方法は、以下のとおりです。
(個別の周知の内容)
①育児休業に関する制度、②育児休業の申出先、③育児休業給付に関すること、④育児休業期間に負担すべき社会保険料の取扱い
(個別の周知・意向確認の方法)
①面談、②書面の交付、③ファクシミリを利用しての送信、④電子メール等の送信のいずれか(③、④は従業員が希望する場合のみ)
・指針において、上記の意向確認の措置については、事業主から従業員に対して意向確認のための働きかけを行えばよいこと、育児休業の取得を控えさせるような形での個別の周知及び意向確認の措置の実施は認められないことが明記されています。また、同指針において、短期はもとより1か月以上の長期の休業取得を希望する従業員が、希望する期間の休業を申出し取得できるよう配慮すること、とされています。
・出生時育児休業(2022年10月施行)中の就業は、次の範囲内とされました。
①就業日数の合計が、休業期間の所定労働日数の2分の1以下
②労働時間の合計が、休業期間における所定労働時間の合計の2分の1以下
③休業開始日又は休業終了日に就業する場合は、その日の労働時間数は、所定労働時間数に満たないものとすること
・このほか、出生時育児休業の申出の方法や、出生時育児休業の申出期限を1か月前まで(原則は2週間前まで)とするための労使協定で定める措置等について定められました。
育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産(本人又は配偶者)の申出をした従業員に対する個別の周知・意向確認は、来年4月から施行されますので、今から準備を始めましょう。
◇ 厚生労働省ホームページ「育児・介護休業法について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html