今年度も残すところあと1か月となりました。4月に育児休業から職場復帰される方は、お子さんの保育園入園の準備やご自身の職場復帰の準備でお忙しいことと思います。私自身のことを振り返ると、1年6か月という長い期間育児休業をとりましたので、復帰時は、職場に足を踏み入れるだけで緊張していたことを思い出します。
今日は、育児休業と介護休業の目的の違いについて書きたいと思います。
育児休業は、文字通り、保護者が子の育児をするための休業です。
介護休業も、親族の介護をするための休業と思っていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。たしかに、法律の文言上は「介護休業は(中略)要介護状態にある対象家族を介護するためにする休業」と定義されているのですが、本当の目的はそうではありません。
介護は、育児と違い、介護期間が長く、いつまで続くかわからないという特徴があります。10年以上にわたり介護を続けている方もかなりおられます。一方で、介護休業は、対象家族1人につき通算93日までしか取得できません。これでは全然足りませんよね。介護休業の目的をはき違えてしまうと、仕事を続けることは無理、と諦めてしまうことにもなりかねません。
介護休業の目的は、「 仕事と介護を両立しながら安心して働くことができる環境を整える」ための準備期間です。
つまり、従業員の方が介護休業中にすべきことは、介護保険サービスやその他のサービスをどのように組み合わせるか、ご自身やその他のご家族がどのように協力し合うか、といったことを話し合い、「仕事と介護を両立できる環境を整えること」です。
一口に「介護」といっても、要介護者の状況、お住まいの地域、自宅なのか施設なのかなど、一人ひとり状況がまったく違います。また、予測なく突然やってくる、というのも大きな特徴です。従業員から「家族の介護をしなければならなくなった」と言われて慌てないよう、管理職の方が基本的な制度の内容を知っておくとともに、必要な社内規程等の整備しておくことが大切です。